岐阜市鏡島の接骨院

(058)253-1038 




施術例

  • 当院では、運動療法を主体としたメニューで一般の方の機能回復からスポーツ選手の現場復帰までを強力にサポートいたします。
  • 特に地域の専門医や病院との連携を図りながら、科学的な根拠にもとずく施術を心がけております。
  • また、スポーツ選手の傷害復帰においては、メンタル面での専門テストも取り入れながら無理のない現場への復帰をサポートしております。

施術例1.膝手術後のリハビリ例(スキー選手)

スキー選手の前十字靭帯断裂の再建手術後のリハビリテーション例

来院の経緯と症状

・患者様:スキー(モーグル)選手、32歳男性。

・平成18年1月29日、スキー公式戦(モーグル)の公式トレーニング中(滑走中)に受傷。

左膝前十字靭帯断裂。

・3月8日村上記念病院(岐阜市)にて前十字靭帯の再建手術。

・3月22日担当医よりの紹介状を持参にて来院。

 下の写真はその時の状態。絆創膏の部分および膝蓋骨下側にある二箇所の点が皮切箇所。


前十時靭帯再建手術後_1前十時靭帯再建手術後_2

施術方針と内容

・競技復帰、大会復帰を当然の目標とされていましたので、通常のリハビリテーションを進めながら、徐々にモーグル競技の特異性を考慮した運動療法を中心としたメニューを導入。

・患部への負荷を増やさないための体重、体組成(体脂肪)の管理・指導を同時に実施。

・同時に体重管理を目的として身体組成の測定・指導も実施。  

・本人の復帰への意気込みが強いほど、オーバートレーニングに陥りやすく、回復を遅らす場合もあるので、今回、心理検査の日本語版POMS短縮版、DIPCA3を定期的に実施し、メンタル面からのサポートも実施。

<当初のリハビリテーション計画>

期間 目的・目標 施術内容(実際の流れ)
術前 完全伸展&屈曲
大腿周径差1センチ以内
  • 下肢を中心とした筋トレ(レジスタンストレーニング)
  • 腹筋群トレーニング
  • ROM関節可動域トレーニング
  • 身体組成・大腿四頭筋(QF)測定
3月目 軽度ジョギング 装具の伸展制限解除
6月目 アスレチックトレーニング 10月以降アスレチックトレーニング開始
8-12月目 競技復帰  

 

経 過

<筋量の推移>

筋量の推移

受傷後より筋量の低下(筋萎縮)が起きています。 健側も同時に萎縮していますが、怪我を起こしてしまった事や手術に対する不安感さらには全体の活動量低下によると思われます。 患側の筋萎縮(特に内側広筋)や伸展制限(が発生する事に関しては諸説あります(内側広筋の特異的機能有無・反射性抑制・筋繊維タイプなど)。いずれにしても術後は患側下肢を十分に使えない事もありしばらくは萎縮が進行します。 術後数ヶ月はACLに負荷を掛けることが出来ませんのでアスリートが行うような筋肥大トレーニングを行う事が出来ません。この初めの時期に萎縮を最小限にする事が出来れば後のリハビリテーションが円滑に進む事は明白です。

今回はご本人の強い内発的モチベーションが手伝い、萎縮後の回復(筋の増加肥大)は順調と言うよりもむしろ早すぎるくらいの経過となりました。

尚、この患者様は受傷前の過去において継続的にトレーニングを実施されていました。

 

<体重・体組成の推移>

体重・体組成の推移

手術期以降来院時まで体重体脂肪率共に減少にあるのは、やはり入院期間中の食事管理に由来していると思われます。
退院後は運動量確保困難なこともあり増加が見られます。
全体を通してリハビリテーションは比較的スムーズに進みました。(当院でのACL再建術後リハビリテーション実施者の中で もベスト3に入ります)

5月目
自転車長距離OK。装具(ブレース)の伸展制限解除。
6月目
膝を伸展しての体重負荷許可&プールでの水泳可能となる。
7月目
日常生活下では装具未着用・軽いジョギングOK
スポーツジム内にある一般的なトレーニングはOK
スポーツは未許可。
9月目
レッグエクステンション以外のリハビリトレーニングでは装具無し許可。この時期でもまだ再建靭帯が緩んでしまう危険性があるので注意を継続しながらリハビリテーションを継続。
10月目
徐々にランジ開始(但しメディカルトレーニングの管理下のみ)
12月目
ブレース着用でのスキー許可。
2008スキーシーズンより公式戦に復帰。現在も活躍中

 

<参考>
リハビリテーション期間中は、膝を保護するために普段、ニープレイス(写真)という装具を付けていただきます。作成は手術をする病院にて義肢装具士が行います。その後のフィッティング調節に関しては当院にて担当義肢装具士が行う事も可能です。

ニーブレイス

<参考> ACL断裂のエコーでの確認
当院では、症状の適切な評価のために、エコー(超音波画像)による観察も行っております。
詳しくは>>

エコー写真

コメント

「 “競技復帰” それは約1年にわたるリハビリテーションをやり遂げられるか?」です。

 

膝関節前十字靭帯(以降ACL)損傷断裂は、近年よく遭遇する外傷です。 これはACL断裂そのものの増加ではなく、発見スキル(感度)が向上して見落としが減った事によります。
(ACL断裂に気づかずに競技を続けられている方が今も多くおられます。)


スポーツ界には「ACLの再建術(手術)を行うとレギュラーでは使えない。」という迷信とも言える風習がありますが本当にそうなのでしょうか?
実は根拠のない話しです。ヨーロッパのアルペンスキーワールドカッパーは、その多くがACL再建術経験者で、両側経験者も珍しくありません。正しい治療プログラムを実行すれば問題なくスポーツ現場へ復帰できるのです。もちろんACL断裂をしないのに越した事はありませんので、最近ではアスリートがACL断裂予防プログラムなどを行うチームもあります。

 

○正しい治療プログラムって?
良いACL再建術良いリハビリテーション
この2条件の両方が必要になります。良い再建術は、整形外科の中でも膝専門医の仕事です。
当院では、リハビリテーションが受け持ちになります。

リハビリテーションのプログラム自体は、術式にも影響されますが比較的目安となる進行があります。現在よく実施されている自家屈筋腱ハムストリングス再建(解剖学的2重束再建術)の場合、

3ヶ月から ジョギング可
6ヶ月から アスレチックトレーニング可
8~12ヶ月 復帰の目安

復帰の目安ですが、実際には12ヶ月かかると感じています。

(※具体的な細かい注意点は執刀医からリハビリテーションの進行や回復具合などに応じて適時指導がありますのでそちらを守って下さい。)

 

一番の問題点は、約1年に亘るリハビリテーションがやり遂げられるか?です。
そうです。成功の鍵は患者様本人にあるのです!
統計でも、リハビリテーションの途中で中断されるケースが数多く報告されており、最大の問題点と言ってもよいと思います。なお、再建した靭帯は術後3ヶ月程度で強度の最弱期を迎え、その後次第に血管が再生され強度を増していきます。

 

○再建術をしないで放置している場合。
時間と共に膝がガクッとなるギビングウェイ(Giving Way)膝崩れが起きるようになります。半月板損傷(特に内側)は時間の問題といってよいでしょう。それらに引き続き、関節面の磨耗も進んでいきやすくなります。受傷時に気が付かない。その時には病院を受診できなかった。などの場合は、受傷後数週間すると関節内血腫(腫れ)が引いてしまい、痛みなどの症状は少なくなります。治ったように思ってしまいます。その為に受診する機会を失ってしまい、後々になってから半月板損傷を発生してしまい、その際の受診でACL断裂が発見される事も珍しくありません。


この場合はACL再建術と平行して(同時に)半月板の手術的も行われる事になります。
放置してスポーツ活動などをそのまま継続すると早い段階から関節の磨耗が起こり、若いうちから日常生活にも支障が出るような症状が発生しやすくなります。
私の学生時代(30年近く前の事ですが)には「ACL完全断裂は膝の終わりの始まり」等とも言われていました。 もちろん現在では膝の治療方法は劇的といえる進化を遂げている途中なので、ちゃんとした治療を受けて頂ければ心配はありません。

 

不幸にも断裂してしまったACLは自然にはくっつきません。自然治癒しないのです。
しかしながら、良い再建術とリハビリテーションを正しく消化すればスポーツ復帰可能です。
「私のACLは大丈夫だろうか?」「手術を勧められたんだけれども・・・」など、お気軽にご相談下さい。

 

※手術前の、術前リハビリテーションも実施しております。」 術後のリハビリテーションをスムーズに
進めるためにもお勧めいたします。(手術を受けられる専門医院、病院と連携をとりながら行います。)

 

 

 

施術例2.肩の痛み例(少年野球選手)

少年野球投手の肩関節痛に対して、投球フォームの動作分析からのアプローチ例

来院の経緯と症状

・少年野球チームのピッチャー。小学5年生頃から時々感じる肩関節の痛みで来院されていました。 小学6年生の11月始めに練習中に強い痛みを発症したため、11月12日専門医に対 診(当院からの紹介)。 リトルリーガーズショルダーおよび腱板炎と診断。専門医の指示の元に11月16日より当院にて後療(リハビリテーション)を開始。定期的な専門医での診察および日常的リハビリテーションは当院にて実施を継続。局所安静(投球制限あり)ののち翌年1月始めに専門医より定期診察終了および投球解禁の許可を得たのち、投球フォームの改善指導を行う。

 

施術方針と内容

痛みが引くのを待ちリハビリ開始。投球が可能な状態にまでなった時点で、痛みを引き起こす原因と考えられる投球フォームをチェックするためにビデオによる投球動作の分析もを行いました。
(下表)(近くの公園にて)

  後方 側面 コメント(要改善点とOK点)
1 p01 p11

(改)手と体の位置関係は「I」の形で左右対称に。 両足を平行にして、腰をプレートの真上にキープ。 姿勢を正しく真っ直ぐに、バランスよく。 ココでの左右差がワインドアップ以降の左右アンバランスに影響が考えられます(重心が1塁側→3塁側→1塁側)。

2 p01 p11

(OK)踏込み脚=膝の高さは十分上がっています(目安はウエストライン以上)。 軸足の向きを投球方向に90度に。

(改)軸脚の膝を曲げる方法は筋の仕組み(SSC)と物理(位置エネルギー)において不利に働きます。メジャーリーガーに見られる「Y字」は股関節中心。膝を伸ばす事を強くお勧めします。

(OK)今の所、腰は落ちていません(ギリギリ)が、膝を曲げるワインドアップを継続すると近い将来に腰が落ちて来る事が予想されます。 *(腰が落ちるとは、脊柱に対する骨盤の後傾を差します。)

(改)体の動き出しを我慢(ワインドアップでは軸を真直ぐに!)。 前後方向(ファースト⇔サード方向)をコンパクトに!

3 p01 p11

(改)軸脚の膝は真直ぐサード方向に向ける(ニー・インしない)。 体幹の後傾を減らして、少しだけ真っ直ぐに近く。 左肩を今よりも少しだけ低くして、少しだけ開く。

(OK)左骨盤が開いていない。 左肩の開き具合はOK。 手がグローブより出た時ボールの上に手があり、手の位置が低い。 「V」の字は△。

4 p01 p11

(OK)ストライドは比較的スクエアである

(改)左上肢(ウデ)が円を描いますので、下から真直ぐに。

(OK)左肩の開きはなくOK。

(改)踏込み脚を内旋位(フトモモを内側に捻る)に!重要。

(OK)右肩の開き具合や、右上肢(ウデ)の方向はOK!。右手掌の軽い内ねじりもOK。

(改)左肘が一直線上にありません(右肘→右肩→左肩→左肘は一直線上に水平が正解) 左右の肘を一直線上に水平を保ちましょう。 手首が起きています→下向きに

5 p01 p11

(改)投球側の肘がショルダーライン上で、水平よりやや低い。 肘の屈曲角度(>=80°が正解)は現在60度! 非投球側の肘もしくは手首は、一旦は投げる方向へ伸ばす。

(OK)ただしグローブの巻き付けは強く出来ています。 軸脚、踏み込み脚はスクエアでOK(クロスやオープンしていない)。 左肩の開きもOK。

6 p01 p11

(改)投球側の前腕は回外位スピネーション(掌が耳の方向を向く)に。 非投球側の肘はちゃんと畳み込まれていますが、今よりもグローブの位置を高く。

(OK)投球側の肘がショルダーラインの一直線上が目安です。以前は低かったのですが十分に高くなっています(むしろ高すぎる)。 踏込み脚に体重が乗って膝が開いていない。 肘が下がっていない 体幹が投球側(右)に傾いていない。 着地は軸足の幅の延長上(範囲は一足長)。 外旋角度(ウデのしなり)は少し足りませんが、小学生としては十分。

7 p01 p11

(改)体幹の前傾&前方回旋を増やしましょう。

(OK)投球側の肘はショルダーライン以上。

(改)膝から上のウデまで、前傾を増やしましょう。 目安は45度&背中が見える。

8 p01 p11

(改)体幹の前傾&前方回旋を増やしましょう。 今以上に踏込み脚で体重を支持する量が増えます。同時に軸足(右)の足裏が上を向きます。

(OK)投球側の前腕は回内位プロネーション。体幹が右に傾いていない。

(改)体幹(上体)を十分に前傾&踏み込み脚へ回旋させて下さい。 背中をキャッチャーに見せ、右足が左足を通り過ぎた所に着きます。 今後、成長に伴い体の筋力がアップすると肩関節に負担が掛かることになります。

 

経 過

本格的な投球練習の再開を前に、上記のデータと注意点を表にまとめ、選手自身とお父様にご説明し、今後の練習での改善を指示いたしました。

コメント

当院では単に痛みにをとるだけではなく、痛みを引き起こす元となる動きや、姿勢のチェックやアドバイスも積極的に行っております。再発を防止し、ケガを生まない動き作りのためにも一度ご相談下さい。

 

施術例3.中高年者の運動療法例

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